京急の鉄道模型を作っているとき書くよ。 面白い床下機器を見つけたとき載せるよ。 東杏電機製造(トウキョウデンキセイゾウ)のお知らせをするよ。
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新1000形ステンレス車の全面カラーフィルム車両をNゲージで模型化するに当たり、マスキングテープの裁断が狂おしく面倒だった為、カッティングマシンを導入してNC加工化しました。
試作から本番14輌くらい作って軽くノウハウも貯まったので、現時点での方案を簡単にまとめようと思います。

ちなみにマスキングテープはコミケ91で頒布した奴と同じものなので、ご購入いただいた方はこの記事に倣って作業すればきっとこのブログと同じ程度には上手く行きます。

マスキングシートはこんな風に切りました。
どう使うかはこれから工程を追って説明しますね。


1.製品の印刷を落とす
完成品をベースに作るときまず最初にやること。
これ地味に面倒なんですけど、ちょっとサボッただけで完成後にめっちゃなびいてくるのがうざいので、しっかりやりましょう。

グリーンマックスの京急新1000形ステンレス車の場合、腰板の部分の赤帯印刷を拭い取る必要があります。
私はMr.カラーのパーツクリーナーを含ませた綿棒で表面を撫で、すかさず拭い取っています。
慌てず急げば樹脂を痛めずに素早く印刷だけを浮き上がらせることが出来ます。
一度浮き上がった印刷は、Mr.カラーの普通のうすめ液で拭き取れるのでゴシゴシ。
・・・多分推奨されないやり方なので、真似する場合は自己責任で(


モールドの凹部に赤色の吹きのこりがありますが、濃い色が塗り潰してくれる場所なので問題ないと思います。
幕帯は完全に残っしていますが、残っていても経験上出来上がったときには目立たないので、工程圧縮の為スルーしています。

2.カラーフィルムのアイボリー色を吹く
ここでいきなり帯色いきます。
まずは窓周りのアイボリーから。
塗料はGM鉄道カラーの#21・小田急アイボリーを使用しました。

窓周りだけ綺麗に塗れていれば十分です。
乾いたら、構体のせぎりとの位置関係に注意しながら、窓周りのマスキングをしていきます。


先頭車の斜めカット部分も正確に切れているので、凹凸のモールドに合わせて貼って、

やったぜ

3.カラーフィルムの赤色を吹く
赤色には鉄道カラー#29・京急バーミリオンを使用しますが、その前に下地を整えます。
鉄道カラー#8・銀色をフワッとのせておきましょう。

小田急アイボリーの上に直接京急バーミリオンを吹くと結構鮮やかな発色に仕上がるんですが、実車のカラーフィルムは逆に暗めで深い赤色なんですよね。
そこで、ステンレス構体に赤フィルムを貼っている実車に倣い、赤色の下地に銀色を吹こうという考えです。


なんかとてつもなく上質な紅色に仕上がりましたのよ。
素敵ですわ。

アイボリー帯のマスキングは早速剥がしてしまってOK。

ん~このままでもかっこ良い。

4.ステンレスの銀色をマスキングする
順番的にここからがステンレス構体の色となります。
これは、模型的に「細いマスキングテープを貼るより細く残してマスキングする方が楽」という先人からのアドヴァイスによるもの。

この記事冒頭の、窓の形に切り抜かれたマスキングシートの本領発揮です。

こんな風に、窓枠の凸モールドを逃がす形にマスキングシートが切れています。
モールドに沿って貼っていけば、自然と窓枠やドアの枠が露出して残り、銀色に塗れるというわけです。


最初にドア間の側窓周りに貼って、


次に幕板部分をながーく覆います。


続いて側扉です。
側扉用のマスキングシートは、窓周りの窪みに沿った穴を開けています。

実車の側扉窓の周りにステンレス地が残っているので、これを再現しようという魂胆です。
個人的に、JRの209系やE231系電車の側扉窓のこの窪みが大好きでして、ここがギラリと光るのをなんとかNゲージの銀千でも再現できないかと工夫した次第であります。

話が逸れました(

これでステンレス色を吹く為のマスキングが完了した状態となります。
・・・ただし、忘れちゃいけない車外装備の部品がありましたよね。

5.車外スピーカを接着する
側窓の斜め上にあるマスキングシートの切り欠きは、車外スピーカの位置決め及び接着用です。
再現にはトレジャータウンの#TTP236のエッチングパーツを使用しました。

切り出すと滅茶苦茶小さく、とても摘めないので、爪楊枝の先端に両面テープを巻いたモノで運びます。
裏面に瞬間接着剤を少量塗り、マスキングシートの切り欠き中央を目掛けて貼り付けます。


貼り終えたところ。
8両編成ですと1両当たり4箇所で合計32枚の車外スピーカを接着することになります。
接着剤が多少はみ出すこともあるかと思いますが、マスキングシートがしっかり貼れていれば仕上がりには問題なさそうです。

6.ステンレスの銀色を吹く
ここまでのマスキングが相当時間の掛かる面倒な作業だったので、最後の色は気持ち良く吹きたいものです。

使用した塗料はガイアカラー#1002・ダークステンレスシルバーです。
黒っぽい色味なので、アイボリー帯の中にある窓周りのフチドリが映えるのです。
また光を受けてギラリと反射したときのコントラストも格別の見栄えになり、オススメです。


最後の色のマスキングを1枚ずつ剥がしていく瞬間は、いつ何を作っても格別です。


塗り上がりー!

7.レタリングとクリアコート
あとは完成品をちょっと弄るのと同じ要領で、インレタを貼って、光沢クリアーを吹いてフィニッシュです。

・・・と行きたいところですが、注意点を一つ。
赤色の下地に吹いた銀色の塗膜がどうも弱いらしく、赤色がインレタの台紙(透明なフィルム)に貼り付いて剥がれる事故が発生しました。
エアブラシでボカしてリカバリすることが出来る程度だったのですが、台無しになる場合も想定されます。
対策としては、転写の際に文字以外の場所に圧をかけないことです。
先の細いボールペンで、文字の真上を正確になぞりましょう。



以上の工程を経て出来上がった新1000形ステンレス車の全面カラーフィルム車両がこちらになります!



はぁかっこい・・・
自宅工房でここまで綺麗に色が出て塗り分けも出来た模型が作れるなんて信じられないです(
特にRのついた窓周りをマスキングして残すのは、カッティングマシンを利用しないと実現は困難だったかと思います。

工作精度の飛躍的な向上と作業時間の圧縮に絶大な効果を発揮するカッティングマシン、私のオススメはグラフテック製のシルエットカメオです。
制御用のアプリケーションが2D図面ファイル・dxfを読み込めるので、裁断用のデータ作成に2D-CADを利用でき、工学系スキルのある方なら効率的な設計が可能です。
また裁断時の調整範囲(刃の長さ・押付力・送り速度等)や仕上がりの精度も、Nゲージ鉄道模型向けのマスキングシート用として十分であると感じています。


みんなもカッティングマシン・ソリューションをLet's try!
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