京急の鉄道模型を作っているとき書くよ。 面白い床下機器を見つけたとき載せるよ。 東杏電機製造(トウキョウデンキセイゾウ)のお知らせをするよ。
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前回の記事の結びでちょっと触れた「赤くない奴」を早速仕入れて参りました。

京急600形606編成、いわずとしれたKEIKYU BLUE SKY TRAINです。

この製品、キット・完成品と2度の生産で潤沢に市場へ行き渡ったようで、今でも容易に手に入れることができます。
お持ちのユーザーさんも多いかと思いますが、それはそれとして私仕様に弄って参ります。

606編成は走行系と補助電源ともに東洋電機製造製の電装品を採用しています。
そしてこのGM製品の床下機器の問題点は過去の記事で既に触れておりますので、今回は完全な東洋車に仕上げる工作を行いたいと思います。


まずはM1車のヌシ、主制御器から。

こちらが606編成の実車が搭載する東洋電機製RG-627-B-M形VVVFインバータ装置です。

三菱電機製の15V31形とは非常に似た外観をしておりますが、↓に並べてみると

左端の制御アンプ部のハッチや、ヒートパイプのかごの間の造りに違いを見つけることができます。

ちなみにこちらが東洋製制御アンプ部のアップ。

東洋製はシンプルなノブと上部の長方形の突起が特徴です。

製品の1~3次車用の制御アンプ部モールドは三菱製を再現したように見えます。
ところが幸運なことに、4次車の東洋製主制御器のそれが1~3次車とほぼ同じ造りのようです。
今回は制御アンプの移設により東洋製主制御器の再現としたいと思います。


上が4次車東洋用、下が1~3次車用そのまま、そして真ん中が制御アンプ移設加工後になります。
ちょっと雰囲気が変わった気がするかな?
簡単な加工ですので3両分はすぐに完成します。


続いて裏返しM1車の山側に移ります。

ここで加工を要するのは断流器(左)と継電器箱(右)です。

継電器箱は三菱製・東洋製とも差が少ないので、三菱マークのモールドを削り落とすだけで茶を濁します。
こだわる方は東洋電機製造の丸いマークを再現しても良いかもしれません。

問題は断流器です。
上写真の東洋製断流器は、スリットの空いている部分(アークシュートが入っており、アーク流しと呼ぶんだとか)が一つ一つわかれています。
しかし三菱製は過去記事の写真のとおり、アークシュート複数台分のアーク流しを横に長く作っているのです。
これは各メーカーの伝統のようで、多くの京急車においても断流器を見るだけで主制御器のメーカーを判別することができます。

さて、今回私が素材に用いたのは京阪2400系の東洋製断流器と京急600形の東洋製SIVです。
前者は京急1500形三菱チョッパ車製作の、後者は600形三菱編成製作のそれぞれあまりです。

京阪断流器のアーク流しを右から4個と、京急SIVの車紋モールド部をそれぞれ切り出し写真のようにつなげて接着。
成型色が左右で異なってしまうので、塗装を以ての完成です。
線路方向寸法は若干短めですが、アーク流しの出来や東洋電機の社紋モールドなどが気に入っています。


最後にM2車海側です。
ちょうど真ん中に置かれているIVT印のこの箱は変圧器です。


これは京急1700形用の床下機器・VVVF(E)がそのものズバリであり、かつ変圧器に関しては現代の製品と遜色ない出来ですのでそのまま使いたいと思います

上下方向はかなりのオーバースケールですので、座の部分を切り離します。
するとそのままで丁度の高さになりますので、少し奥まらせたところに接着。
横幅は当時の床下機器パーツとしては奇跡的にぴったりです。
上辺が車体に埋まってしまいますが、実際のところ見た目は全く気になりませんでした。


SIVは編成中4両に搭載ですから、変圧器も4つ用意しておきます。
M2車山側は例によって東洋製がプロトタイプなので、M2cとM2は素組で、M2'とTsは一部加工のみで完成です。

今回使用したパーツは全て私のジャンク箱から拾ってきたものなので、そういうのを貯めない方はもしかしたら作りにくいかもしれません・・・
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無題
初めまして。いつも楽しく拝見させていただいております。
自分も京急をはじめとする4直が好きで、模型も集めているのですが、Kojicstageさんが手がける車輛の完成度には到底かないません・・・。

さて、今回は床下の色について質問させてください。kojicstageさんはGMの床下機器や、台車を成形色のプラそのままの色ではなく、再塗装されていますよね?その色が自分の考える京急車のホワイトがかったグレーにどんぴしゃなのでして、是非使っている塗料を参考とさせていただきたくて。自分もプラ地そのままではあまりにも味気ないので再塗装をしているのですが、使っている塗料がクレオスの35番というすこし青とグレーの中間のような色をブラシで吹いています。しかし、どうもあの京急車独特の床下グレーの色と違い納得がいかなかったものでして。
NONAME 2012/02/01(Wed)18:38:02 編集
Re:無題
こんにちは、Kojicstageです。
楽しくお読みいただいているようでありがとうございます。

床下機器に使用している塗料、ということですが、実はつい最近になって使用塗料を転換しているので新旧両方についてご説明します。
まず時系列的に京急600形653編成までに製作した編成は、GM鉄道カラー#9と#14をおよそ1:1で混合したものを筆塗りしていました。
そして京急1500形1637編成からは、Mr.Color城#CK1を特に調色せず筆塗りしています。
後者は前者と比べて同程度の明るさながら、若干の青味が加わった印象です。
両者の差異はディスプレイ上で再現しづらいので、どちらがお好みか実際にテストピースなどで試してみることをオススメします。

私が床下の塗装をする理由は成型色の違うパーツ同士を自由に組み合わせられるからですね。
でも結果的に車両全体の印象も格段に良くなるので、是非この一塗りでご自身の理想の京急車をものにしてみてください。
【2012/02/03 19:45】
無題
ご丁寧に返信いただきましてありがとうございます。

GMカラー#9と#14を1:1で混色というのは以前、雑誌でプロモデラーの富士川氏が〝板キットの京急1000形〟(GMストアー横浜店にて展示中)の床下塗装に使用してたのを思い出しました。京急車独特のグレーが再現されていてかなり自分好みの色合いでした。
Mr.Color城#CK1は初めて聞きました。城壁用?の塗料のようですが、まさか鉄道模型用としても使えるとは侮れないですね。こまめに市場調査をしないといけませんね。
しかしKojicstageさんは筆塗りをされているということですが、写真を拝見する限り色ムラ等も見えず流石です。私も初めは筆塗りだったのですが、いかせんヘタクソなのでスプレーへとシフトチェンジ後、さらにエアブラシにしました。台車は素材がPOMなのでガイアのマルチプライマーを吹いてから塗料を吹いています。
NONAME 2012/02/08(Wed)15:17:32 編集
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