京急の鉄道模型を作っているとき書くよ。 面白い床下機器を見つけたとき載せるよ。 東杏電機製造(トウキョウデンキセイゾウ)のお知らせをするよ。
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今まで私が記述してきたVVVF装置の形式について、私個人の認識誤りに起因する誤記がありましたので訂正させてください。
対象は京急1500形の1700番台(1700形)が艤装する、東洋電機製造製のVVVFインバータ装置です。

外観は上写真の通り。
いわゆる1C8Mの東洋GTOです。

訂正内容は装置形式のサフィックスで、正誤を下表の通り示します。
車両系列 細分 東洋電機製造製 VVVF装置形式
1500形
1700番台
1701編成 RG627-A-M形 RG627-A-M形
1707編成以降 RG627-A-M形 RG627-B-M形
[参考] 600形 1~3次車 RG627-B-M形 RG627-B-M形
1707編成以降の1700形が艤装するVVVF装置のサフィックスが誤っておりました。



以下、私の誤認識の気づきと調査内容についてまとめます。

◆ 誤認識に気付いた発端
2022年10月14日に弊ブログで公開した1700形の継電器箱に関する記事を執筆するにあたっての下調べの過程において、写真記録した主回路装置実機の銘板に、私の認識と異なる打刻を認めた。

◆ 文献調査
佐藤良介著「京急の車両」(JTBパブリッシング, 2004)の、車輌主要取付機器一覧の表内記載において、1701編成と1707編成以降とでVVVF装置形式サフィックスの相違を確認した。

◆ 実機調査
<方針>
1700形の現有車両のうち、最若番である1707編成M1c形を対象として、VVVF装置実機の銘板を写真記録し形式を読み取り確認する。
また1707編成以外のRG627系についても、機会があれば銘板を記録する。
なお1701編成についてはVVVF装置を艤装する全ての車両(M1系)が廃車解体済のため、実機調査しない判断とした。

<結果>
2022年12月29日にデハ1707号車艤装のVVVF装置の銘板を写真記録し、形式が「RG627型B-M式」のことを確認した。
また新製年月と思しき打刻「91年10月」より、このVVVF装置が600形から移設された可能性は低いと考えられる。
デハ1707号車艤装 VVVF装置銘板 (2022.12.29時点)
↑ デハ1707号車艤装 VVVF装置銘板 (2022.12.29時点)

またこれ以前時点の調査として、デハ1713号車及びデハ1719号車についても記録できており、こちらも共に「RG627型B-M式」を艤装のことを確認した。
デハ1713号車艤装 VVVF装置銘板 (2022.11.21時点)
↑ デハ1713号車艤装 VVVF装置銘板 (2022.11.21時点)
デハ1719号車艤装 VVVF装置銘板 (2022.11.04時点)
↑ デハ1719号車艤装 VVVF装置銘板 (2022.11.04時点)

◆ 結論
文献調査と実機調査との結果を総合して、1707編成以降の1700形が艤装するVVVF装置の形式はRG627-B-M形が正であり、RG627-A-M形は誤りである。

◆ 対応
取り急ぎの対応として、PVが多いVVVF装置一覧のブログ記事について、RG627系に係る記述を訂正した。
また上記以外のブログ記事は、順次調査のうえ訂正する方針とする。

◆ 誤認識の原因
「1700形全車のVVVF装置のサフィックスはA-Mである」との誤認識は私の記憶上10年以上持っており、明確な要因の記憶は残っていない。
推測として、1700形1701編成に対する文献の記述を、1707編成以降に対しても適用できると思い込みした可能性が考えられる。

◆ 免責について
この誤認識の影響として、弊ブログ及びサークル“東杏電機製造”刊行の同人誌に、誤記がある可能性があります。
弊ブログ及び同人誌の誤記に起因して、読者側に万一不利益が生じた場合でも、補償は致しかねます。
なお弊ブログ及び同人誌は全て私Kojicstageの個人研究に基づき執筆しており、よってこの誤認識に限らず全ての情報について、正確さの保証及び生じた不利益の補償は出来かねます。



◆ 付録:RG627系VVVF装置の銘板撮影方法
RG627系の銘板は、下写真の緑丸の位置に貼付されています。


床下機器の銘板を読める状態で撮影するためには、「車両の停止中」かつ「距離5m以内」の条件が望ましいと、私個人的な感覚として思っています。
本条件は対向式ホームの駅での停車中に再現しやすいのですが、RG627系は銘板の位置が高くかつ奥まっているので、ほとんどの場合に下写真の如く構体の裾に隠れてしまう点が課題です。


この対策として今回の実機調査においては、VVVF装置の銘板側が高位となるカントが構内についた対向式ホームの駅にて写真記録を実施することとしました。
具体的には、能見台駅の下りホームです。

上り線は上写真の600形の通り、カントが130mm(約5°)ついております。
下りホーム上でしゃがみカメラを構えると、下写真のアングルにて構体に隠れることなく銘板の撮影が可能です。


ちなみに1700形は8両固定編成で、能見台駅に停車する8両編成はエアポート急行のみ。
よって特定の編成を撮影するためには、目当ての編成がエア急運用へ充当される必要がありました。

実機調査は本来であれば全編成の全個体を対象に実施すべきとは思うのですが、月間平均2日程度しか沿線で活動できない身としては、上記の調査対象が精一杯でした(
但しデハ1707号車の落成年月とVVVF装置の新製年月とが概ね一致したことより、結論が覆る可能性は無いと考えています。



新年一発目の記事が訂正でなんとも重い感じになりましたが、個人的な備忘録と、アクセス元のドメインの傾向的に書き残しておいた方が良いかと思い、執筆しました次第です。

1500形は現在の京急車における最古参系列であり廃車も進んでるので、さいきん努めて記録や調査していたおかげで、誤りに気づきました。
古い車両は新製時の文献の散逸が多かったり自身で現車調査できなかったりで、まだまだいろいろ見落としがありそうで怖いです。

とは言え京急車の床下機器に対する私の熱は変わりありませんので、これからも興味の向いた機器について調べて発信していきたい所存です。
宜しければご笑覧いただき、皆様の趣味活動に役立てていただければ嬉しいです。
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調査駅
いつも楽しく拝見させて頂いております。調査駅は弘明寺ではなく能見台ではないでしょうか?
電機総務こたか 2023/01/10(Tue)02:09:16 編集
Re:調査駅
ご指摘ありがとうございます。
仰るとおり、誤:弘明寺 → 正:能見台 ですね。
記事本文修正させていただきました。
【2023/01/10 21:14】
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