京急の鉄道模型を作っているとき書くよ。 面白い床下機器を見つけたとき載せるよ。 東杏電機製造(トウキョウデンキセイゾウ)のお知らせをするよ。
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お盆休みが暇すぎたんで、結月ゆかりさんを買ったんですよ。
もふもふでスレンダーでかわいいですからね。

まぁそれは本題じゃなくて。
こんなしょーもない動画をつくって遊んでたんですけど。
ついでにちょっと台車の写真とか資料とか整理してたら、仕様とか見どころとかを備忘録的に軽くまとめといた方がいいかなーなんて思いまして。
そんなわけで、こないだのCPの記事みたいなノリで京急車の台車形式と構造概略の図鑑を作ってみましたよっと。
情報は特記無き限り2021年8月時点となります。
手持ちの資料と写真と記憶ベースで書いてるので、参考程度にお楽しみいただければ~

もくじです。
【台車形式 構造・構成部品・取付機器類
◆TH-1500M (1500形デハ)
◆TH-1500T (1500形サハ)
◆TH-1500TA (1500形電装解除)
◆TH-600M (600形デハ)
◆TH-600T (600形サハ)
◆TH-2100M (2100形デハ)
◆TH-2100T (2100形サハ)
◆TH-2100AM (新1000形デハ1-2次)
◆TH-2100AT (新1000形サハ1-2次)
◆TH-2100BM (新1000形デハ3次-)
◆TH-2100BT (新1000形サハ3次-)
◆TH-2100BTA (新1000形電装解除)
▼車体支持方式
●ダイレクトマウント式
▼軸箱支持方式
●円筒案内式
●軸梁式
▼軸ばねダンパ
▼基礎ブレーキ装置
●テコ式踏面片押
●ユニット式
●ディスク式ライニング
▼主電動機
▼撓み継手
▼歯車装置
▼増粘着装置
▼回転速度センサ
▼フランジ塗油器


◆ TH-1500M形 電動台車

・車体支持方式: ダイレクトマウント
・枕ばね: ダイヤフラム形空気ばね
・軸箱支持方式: 円筒案内
・軸ばね: ウイングばね
・軸受:つば付円筒ころ
・基礎ブレーキ: テコ式踏面片押
・使用車種: デハ1500形 全車, 電動貨車 全車
・投入期間: 1985~1993

1500形の電動車用として製作された台車です。
快特車2000形向けとして先に運用されていたTH-2000M形台車の構造をほとんど踏襲した仕様で作られています。
外観上目立つ変更点としては、軸箱の吊り金具周りや、増粘着装置(踏面清掃装置)でしょうか。

なお1500形の電動車には電装解除改造を受けた個体がおり、台車の一部は主電動機(MM)を降ろしてTH-1500TA形(後述)へ改造されています。
但し6両分は電動貨車の更新用として電動台車のまま転用されており、台車を抜き取られた構体は新製の付随台車(TH-1500T形)を履いて現在へ至っています。


◆ TH-1500T形

・車体支持方式: ダイレクトマウント
・枕ばね: ダイヤフラム形空気ばね
・軸箱支持方式: 円筒案内
・軸ばね: ウイングばね
・軸受:つば付円筒ころ
・基礎ブレーキ: ディスク式ライニング
・使用車種: サハ1900形 1901~1930号車
・投入期間: 1989~1992, 2009~2010

1500形の付随車用として登場。
設計コンセプトは電動台車に倣い、TH-2000T形台車を基本とした構成です。
京急車の現有台車としては唯一、踏面制輪子を持ちません。
但し増粘着装置を付けているので、車輪踏面の粘着が低下しにくいよう考慮されています。

投入期間が2群に分かれているのは、後年の電装解除車サハ1925~1930号車向けとして追加で製作された為です。

バリエーションとして、8両編成に組み込まれている本形式にはレール塗油器が取付けられています。
上の写真は付いてるタイプ。
付いてない原形タイプは全体写真もってませんでした(


◆ TH-1500TA形 付随台車

・車体支持方式: ダイレクトマウント
・枕ばね: ダイヤフラム形空気ばね
・軸箱支持方式: 円筒案内
・軸ばね: ウイングばね
・軸受:つば付円筒ころ
・基礎ブレーキ: テコ式踏面片押
・使用車種: サハ1900形 1931~1942号車
・改造期間: 2011~2015

デハ1500形の一部を電装解除した際に、電動台車から付随台車へ改造を受けたものです。
形式名はオリジナルの付随台車と区別する為、サフィックス“A”付となっています。

なお改造と言っても主要な構造はそのままであり、MMや歯車吊り装置などの取付座は存置されています。
台車枠は切り継ぎするだけでも強度上のリスクが生じるので、なるべく触らないで継続使用するのが最善なのでしょう。

なので当然、基礎ブレーキもディスク式ではなく、改造元と同じ踏面片押です。
基礎ブレーキの方式の違いでサハの乗り心地や制動の効きに差はあるのかなぁって気になりますw


◆TH-600M形 電動台車

・車体支持方式: ダイレクトマウント
・枕ばね: ダイヤフラム形空気ばね
・軸箱支持方式: 軸梁
・軸ばね: 単式, オイルダンパ付
・軸受:密封型つば付円筒ころ
・基礎ブレーキ: テコ式踏面片押
・使用車種: デハ600形 全車
・投入期間: 1994~1996

600形では台車が新規に設計され、軸箱支持方式が変更となりました。
新製時の宣伝文句からはは、直線高速走行性能と曲線通過性能を持たせる意図があったそう。
同世代な軸梁式台車の代表例としてはJR東日本のDT61系(1992~)がおり、当時の流行だったのでしょうか。
また現有の京急車としては唯一軸ばねのダンパが存置されているのも特徴的です。

また軸箱支持とあわせて、軸受に密封型を採用するなど、メンテナンスフリーをねらった思想も窺い知れます。

本台車のバリエーションとして、1次車(6011,6021編成)と2次車以降とで、軸ばねダンパの取付位置が異なります。
上写真は2次車以降のタイプです。


◆ TH-600T形 付随台車

・車体支持方式: ダイレクトマウント
・枕ばね: ダイヤフラム形空気ばね
・軸箱支持方式: 軸梁
・軸ばね: 単式, オイルダンパ付
・基礎ブレーキ: ユニット式踏面片押
・使用車種: サハ600形 全車
・投入期間: 1994~1996

600形の付随車用台車で、電動と同様に軸箱支持を軸梁式としています。

また本台車の基礎ブレーキは京急車として初のユニット式を採用しました。
外観上ではシリンダやてこ装置が無くなりスッキリしています。
更に自動すき間調整機能も有しており、メンテナンスフリーへの意識の高さが感じられます。
なおディスク式のブレーキは付けていません。


◆ TH-2100M形 電動台車

・車体支持方式: ダイレクトマウント
・枕ばね: ダイヤフラム形空気ばね
・軸箱支持方式: 円筒案内
・軸ばね: ウイングばね
・軸受:つば付円筒ころ
・基礎ブレーキ: ユニット式踏面片押
・使用車種: デハ2100形 全車
・投入期間: 1998~2000

2100形の新製にあたっては構造が見直され、TH-1500系と同様の構成へ回帰しました。
先代TH-600系には独特な乗り心地があり、京急線との相性が好まれなかったのでしょう。(オブラートに包んだ表現)

TH-1500系に対する目立った変更点は、基礎ブレーキのユニット化です。
本台車に取り付いているものは、先にユニット化されていたTH-600T形とは異なるタイプ。
ゴムシリンダのダイヤフラムや隙間調整装置のねじが露出していて特徴的です。

その他の変更点としては、軸箱にオイルダンパの受けを設けていること。
2100形の落成当初は速度向上に備えるとの名目で実際に軸ダンパを取り付けていたのですが、現在は使われていません。


◆ TH-2100T形 付随台車

・車体支持方式: ダイレクトマウント
・枕ばね: ダイヤフラム形空気ばね
・軸箱支持方式: 円筒案内
・軸ばね: ウイングばね
・軸受:つば付円筒ころ
・基礎ブレーキ: ユニット式踏面片押
・使用車種: サハ2100形 全車
・投入期間: 1998~2000

TH-2100M形台車を基本として設計された付随台車です。
と言うのも、本台車は付随台車として新製されておりながら、台車枠が電動台車と共通としているのです。
上写真にご覧の通り歯車吊り装置の受けが写っていますし、MMの取付座も備えています。
予備台車枠の共通化が目的とのこと。

基礎ブレーキ装置も電動台車と共通化されました。


◆ TH-2100AM形 電動台車

・車体支持方式: ダイレクトマウント
・枕ばね: ダイヤフラム形空気ばね
・軸箱支持方式: 円筒案内
・軸ばね: ウイングばね
・軸受:つば付円筒ころ
・基礎ブレーキ: ユニット式踏面片押
・使用車種: デハ1000形 1・2次車
・投入期間: 2002~2003

2100形の思想を継承してデビューした新1000形では、サフィックス付きの台車形式になりました。
外観上目立つ変更点として、増粘着装置が無くなっています。
制動中の踏面は制輪子で拭われるので、不要と判断されたのでしょうか。

それ以外でTH-2100M形からの明確な変更点はよく分かりません(
台車全体では撓み継手とかセラジェットとかあったんですが、それらは台車への取付品なので。
なんなら踏面清掃装置も取付品なので・・・


◆ TH-2100AT形 付随台車

・車体支持方式: ダイレクトマウント
・枕ばね: ダイヤフラム形空気ばね
・軸箱支持方式: 円筒案内
・軸ばね: ウイングばね
・軸受:つば付円筒ころ
・基礎ブレーキ: ユニット式踏面片押
・使用車種: サハ1000形 1・2次車
・投入期間: 2002~2003

新1000形向けの付随台車です。
現車外観上ではTH-2100T形と同一に見えるのですが、台車枠が付随台車としての専用品となり、MMや歯車吊り装置の取付座が省略されています。


◆ TH-2100BM形 電動台車

・車体支持方式: ダイレクトマウント
・枕ばね: ダイヤフラム形空気ばね
・軸箱支持方式: 円筒案内
・軸ばね: ウイングばね
・軸受:つば付円筒ころ
・基礎ブレーキ: ユニット式踏面片押
・使用車種: デハ1000形 3次車以降
・投入期間: 2003~

新1000形の増備途上であった3次車より、サフィックス“B”付きとなりました。
変更点は、軸ばね用のオイルダンパ受けの省略です。
全体的な基本構造はそれ以前のTH-2100系と変更ありません。

2003年以降新製の京急車は全てTH-2100BM形 or BT形を履いており、2021年落成の新設計20次車でも台車は本形式を採用し続けています。
まさにベストセラーと言ったところ。


◆ TH-2100BT形 付随台車

・車体支持方式: ダイレクトマウント
・枕ばね: ダイヤフラム形空気ばね
・軸箱支持方式: 円筒案内
・軸ばね: ウイングばね
・軸受:つば付円筒ころ
・基礎ブレーキ: ユニット式踏面片押
・使用車種: サハ1000形 3次車以降
・投入期間: 2003~

電動台車と同様に、付随台車側もオイルダンパ受けが付かなくなりました。
ダイレクトマウント・円筒案内式台車としてはこれ以上無いくらいシンプルな姿に仕上がっています。


◆ TH-2100BTA形 付随台車

・車体支持方式: ダイレクトマウント
・枕ばね: ダイヤフラム形空気ばね
・軸箱支持方式: 円筒案内
・軸ばね: ウイングばね
・軸受:つば付円筒ころ
・基礎ブレーキ: ユニット式踏面片押
・使用車種: サハ1000形 電装解除車
・改造期間: 2019~

新1000形3~5次車の主回路更新の一環として実施されている、M2系デハの電装解除で生まれた形式です。
種車の電動台車からMMや駆動装置等を撤去して付随台車へと改造しています。
台車枠には駆動装置の反力受けやMMの取付座が存置されており、さながらTH-2100T形台車のようですね。

2021年現在でも当該更新改造は継続中であり、最終的には計16両分32台の陣容になるでしょう。




以上、京急の現有台車全形式でした。
ここから先はオマケとして、台車の構造や構成部品・取付機器類について手持ちの写真をずらずらと並べておきますね。



▼ 車体支持方式
車体と台車枠との間で、荷重を負担しながら振動を緩和し偏倚を許容する構造のことを指します。

● ダイレクトマウント式

車体と台車枠との間に“枕ばり”と呼ばれる枕木方向の梁を挟んで、車体と枕ばりとの間に枕ばねを挟んでいる構造を指します。
枕ばりと台車枠との間は心皿で接続されており、台車枠が鉛直軸方向に旋回できるようになっています。

ちなみに車体と枕ばりとの間は前後方向に力の伝達が出来ないと、台車が分離してひとりで走って行ってしまいますので、ボルスタアンカと呼ばれる棒で連結されています。

このアングルだと 枕ばね・枕ばり・ボルスタアンカ・台車枠 の関係性が分かりやすいでしょうか。
ちなみに枕ばりと車体との間を繋いでいる細い棒は、空気ばね高さ調整弁(LV)の一部です。

京急線を走行する車両の車体支持方式は、現状のところ心皿を有する構造に限られています。
京急車は現在全車がダイレクトマウント式としています。


▼ 軸箱支持方式
台車枠と軸箱体との間で、荷重を負担しながら振動を緩和する構造のことを指します。

● 円筒案内式

片側2組の軸箱の内径側に台車枠と軸箱体とではめあいとなる円筒剛体を設けて、上下方向の動きをガイドする方式です。
上写真を見ると、軸箱の前後にあるコイルばねの中に円柱が見えると思います。
この円柱が肝でして、詳しく見てみますと↓
 
台車枠単体(TH-1500M形 予備品)の写真がこちら。
円筒の内側に金属製の棒が付いているのが、ビニール越しに分かるかと思います。
この台車枠側の棒と、軸箱体側の円筒穴とがメタルを介して精密に嵌まり合うのです。

円筒案内式の特徴は、台車枠と軸箱体とを鉛直方向に自由 かつ 水平方向に不動として拘束できるところです。
水平方向に不動な拘束は、一般に曲線通過性が難ありと評されることが多いようです。
しかし京急線においては路線と相性の良い軸箱支持方式とされており、最新の新製車を含め現在最も多数派な方式となってます。

● 軸梁式

軸箱体の一部が台車枠と接続される梁を構成しており、梁先端のゴムブシュを介して軸箱体と台車枠とを接続する方式です。
このゴムブシュを軸として、軸箱体の上下動(厳密には回転)は拘束されます。
ゴムブシュはレール方向に適度な柔軟性を有しており、この特性を上手く調節することで曲線通過性と直線高速走行性能とを両立させることが出来ると言われています。
車両の重量は軸受の直上にある軸ばねで負担し、ゴムブシュは影響しません。

JR東日本向けを始めとする国内の台車の多くが採用する方式ですが、一方で最近の京急車では600形のみの限定的な採用に留まっています。


▼ 軸ばねダンパ

軸ばね(台車枠~軸箱体間のばね)と並列に接続されるオイルダンパです。
ダンパは偏倚の大きい揺れを受けると内部の流体(オイル)が運動エネルギを吸収して、振動を減衰させる作用を持ちます。
軸ばねにダンパを併用することで、軸ばねに生じた上下振動を早期に収まらせて、乗り心地を改善する効果が得られます。

ちなみに、ゴムにもダンパと同様な振動減衰作用が多少あります。
軸ばねの円筒コイルばねの下に挟まっているゴム(緩衝ゴムと呼びます)も、軸箱から台車枠へ伝わるビビリ振動を抑制してくれる機能を持ちます。


▼ 基礎ブレーキ装置
輪軸へ摩擦力を作用させて車両のブレーキ力を得る装置のことを指します。

● テコ式踏面片押

台車枠にテコ等一式とブレーキシリンダを直接組付ける方式です。
摩擦力は車輪踏面に作用させ、制輪子は輪軸に対して水平の一方向からのみ圧着されます。
京急車の現有台車においては、左右それぞれの制輪子に対して1つのブレーキシリンダが連結されています。

台車と基礎ブレーキ装置とを一体として組立するため、最終組立や全体の調整が手間と言われています。

● ユニット式

制輪子1ヶ所ごとに、シリンダ・てこ・すき間調整装置・制輪子をまとめて一体とした方式です。
台車を全体組立する際にはブレーキ装置の組立品としたもの(=ユニット)を台車枠へ取り付けるだけで良く、整備性の良さから現在の国内鉄道車両向け基礎ブレーキ装置の主流となっています。

もう少し下からのアングルがこちら。

制輪子より下のごちゃっとした部分が、すき間調整装置です。

TH-2100系(上写真はTH-2100系)に取り付けられるユニットブレーキ装置は、ダイヤフラムやすき間調整装置が露出しており、他社ではあまり見られない独特なタイプです。

● ディスク式ライニング

台車枠にライニング付のキャリパ装置を設け、輪軸に取り付けたブレーキディスクを挟んで摩擦力を作用させる方式です。
車輪踏面を摩擦する制輪子と比較してブレーキディスクは放熱特性に優れることから、強いブレーキ力を高速域から継続して作用させる際に高信頼となります。


一方で輪軸に取り付けられるディスクが、ばね下重量を増加させる欠点もあります。
ちなみに上写真の様に車輪間へディスクを取り付ける構造ではキャリパやディスクとMMとが干渉するので、もっぱら付随軸のみに採用されます。

TH-1500T形(上写真)以前の付随台車で採用されていましたが、TH-600T形以降では制輪子方式へ変更されて京急車の主流とはなっていません。
現在の京急車の制動力は回生ブレーキ(MMトルク)で大半を賄う思想なので、負担の少ない基礎ブレーキへディスク式ライニングを用いるのはオーバースペックであったと推測されます。


▼ 主電動機

主制御器からの電力を回転運動へ変換する装置です。
機器の略号として、もっぱら“MM”なんて呼ばれます。(このブログも基本略号です)
台車枠の横梁に取り付けられています。
写真はシーメンス製の1TB2010-0GC02形。


台車枠横梁のMMMを架装する位置には、こんな取付座が設けられています。
写真はTH-600M形台車ですが、日本国内の台車はみんなだいたい同じカタチしてます。
MMは1台600~700kgくらいの重量物であり、それをばね中で片支持し且つモーメントも受けるMMの取付座には極めて過酷な荷重が作用します。


▼ 撓み継手

ばね中(台車枠)へ固定されているMMの主軸と、輪軸(ばね下)にあわせて動く歯車装置の小歯車軸との間で、芯ずれを吸収して回転運動を伝達する構造です。
写真は電動台車を斜めに見下ろしたアングルで、手前左がMM、中央の横に長いのが歯車装置です。
主電動機と歯車装置との間に見えるのがTD継手のカバーの一部で、この内部に撓み板が入っています。

現有の京急車では、全ての電動車で東洋電機製造製のTD継手を採用しています。


▼ 歯車装置

主電動機の主軸と輪軸との平行2軸間を歯車で動力伝達する装置です。
内部には1噛合 2個の歯車が納められており、主電動機が小歯車、輪軸側が大歯車です。
主電動機軸から輪軸へ減速することで、大きなトルクを輪軸へ作用させる機能も有します。
全体的な外観は、上写真のほか撓み継手の写真と併せて把握していただければと。

歯車装置が輪軸へトルク(モーメント)を作用させる際には、歯車装置自身にも反力として逆向きのトルクが発生します。
これを固定しないと車輪が回らず歯車装置がぐるんぐるん暴れ回ってしまうので、回り止めとなる連結棒(吊り装置と呼ぶ)で台車枠と固定されます。

この写真で見ると、撓み継手の真下辺りに少し見えるゴムブシュと真上に見える大きなゴムブシュが、吊り装置の固定位置です。
う~んちょっと見えづらいですね。
これを外から撮るのってめっちゃムズカシイです(


電装解除して歯車装置を撤去した台車(TH-2100BTA形)がこちら。
台車枠横梁に設けられている吊り装置の受けが見えます。
電動台車としての使用の場合、動軸のトルク≒周引張力に応じた強い荷重がこの吊り装置へ作用する為、MM取付座と並ぶ強度上重要な構造です。


▼ 増粘着装置
 
車輪踏面へ清掃子を軽く押し当てることで、車輪踏面の汚れを除去する装置です。
転がりつづける車輪踏面はレール等からの油や泥などの汚れが付着し粘着が低下するため、清掃子でこれを除去し粘着を確保する仕組みです。
清掃子を押し当てる力は微弱で、ばねにより常時作用しています。


増粘着の原理としては、基礎ブレーキの機能にある対雪ブレーキと同様です。
言い換えれば、制輪子(踏面ブレーキ)が当該車輪に付いていれば同等の機能を果たす為、必須ではありません。
TH-2100系台車は全輪軸の基礎ブレーキが制輪子方式である為、新1000形で増粘着装置が非搭載となった理由はそこなのかな、と推測します。


▼ 回転速度センサ

輪軸の回転速度を周波数信号として検出するセンサです。
軸箱の軸端に取り付けられており、外から見るとセンサ本体とケーブルが付いているのが分かります。
センサの先端は車軸の軸端に取り付けられた検出用ギヤと接しており、ギヤ歯先の接近と離脱を磁気的に検出して周波数信号を得ています。

現在の京急車では、滑走防止制御用として新1000形16次車以降の全輪軸へ取り付けられています。
またシーメンスの主制御装置では、空転再粘着制御に用いるパラメータの一つとして、付随軸速度を本センサで検出していました。


▼ フランジ塗油器

車輪のフランジ付け根付近へグリースを噴射するノズルです。
曲線通過時に作動して、フランジからレールへ転写されたグリースの潤滑作用によって、曲線通過時の車輪横圧を低減し摩耗や軋り音を低減する効果を得ます。
床下ブログでは過去の記事で取り上げているので詳細はそちらへどうぞ~





以上、ちょっとこれはもしかしたら過去にないくらい大量に詰め込んじゃったかもしれない記事でした。
なんか写真集めてたら楽しくなっちゃいまして、テキスト打ってたら爆増しちゃって。
台車は機械構造物なので、写真で見どころを伝えられるんですよね。

まぁでもとりあえずこれで台車の主なトピックスは整理できたし、ついでに私の復習もできたのでよかったです(こなみ
分量的に推敲が甘くなってると思うので、後日ちょくちょく読み返して手直しするかと思いますが生温く見守っていただければ幸いです。

次はお友達からVVVF装置の形式一覧が欲しいと言われたので、ちょっと考えまーす!
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