京急の鉄道模型を作っているとき書くよ。 面白い床下機器を見つけたとき載せるよ。 東杏電機製造(トウキョウデンキセイゾウ)のお知らせをするよ。
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2023年7月にグリーンマックスより発売されたNゲージ京急車「31714 新1000形 YELLOW HAPPY TRAIN」にて、台車が新規製作の金型へリニューアルされました。
GM京急車に使用される円筒案内式台車は長らく、1500形鋼製車用をプロトタイプとしたと思しきTHタイプでした。
ところか新1000形の発売から19年ほど経った今なぜか、金型をTH-2100系専用に起こしてくれたそうな。
タイミングが謎すぎるのはさておき、推し台車の専用金型に狂喜乱舞しないわけがなく、予約のうえ首を長くして着弾待っておりました。

一言で評すると、めっっっっっっっっっっちゃ良いです。



レリーフの正面より全体を写します。
形態としては、増粘着装置付 および 軸ばねダンパ受け付&ダンパ無し です。
具体的な現車台車形式を挙げると、2022年以前のTH-2100M形 または TH-2100T形が該当します。



ちょっとだけ現車のハナシをします。
京急車のTH-2100シリーズの台車は、新製時点の形式名で分けると下記6種類に分類されます。
台車形式 電動/付随 増粘着装置 軸ばねダンパ受け 取付車両
TH-2100M 電動 あり →
なし(撤去)
あり デハ2100
TH-2100T 付随 サハ2100
TH-2100AM 電動 なし あり デハ1000 1~2次車
TH-2100AT 付随 サハ1000 1~2次車
TH-2100BM 電動 なし なし デハ1000 3~21次車
TH-2100BT 付随 サハ1000 3~21次車
この中で今回のGM台車を当てはめると、2100形用のTH-2100M形もしくはT形が該当するわけですね。
更に、2021年から2022年にかけて増粘着装置は撤去されたため、2023年現在時点ではGMの新金型そのものの台車は現存しません。
現時点(23/06/18)ではGM公式が上記形態分類に触れていないため、私は今回の新金型台車を「TH-2100系」と呼称します。

当時の現車TH-2100M形台車と今回のGM製TH-2100系台車とを並べてみました。
スケールはレール方向基準でざっくり合わせています。
全体の印象や特徴と細部のディティールまで、抜群によく再現されています。
エッジや凹凸モールドのシャープで、これは“当たり”の金型です。

なおGM製台車に寸詰まりの雰囲気があるのですが、これは軸距が現車2100mmのところ、GM製は約13.7mm(レリーフ部実測)≒スケール換算2055mmと短いためです。
現車で国内在来線向けの台車は大半が軸距2100なのですが、GM製の台車は旧国用を除き13.7mmに統一されているため、ほとんど全てのモデルが寸詰まりです。
これ本当にもったいないと思い続けてるんですが、何故ずっと変えないんでしょうね・・・

ちなみに台車枠(除:増粘着装置)レリーフの全長は19.9mm≒スケール換算2985mm。
現車の当該部寸法は公表されてる図面の形状線読みで推定3030くらいなので、やっぱり全体的に足りないようです。



GM台車を単体で見てみましょう。

この画角、対向式ホームから向かいに来たクルマのを見下ろすときに近いかと思うのですが、やはり印象が究極に良く捉えられていると感じます。
そして中心部の枕梁やボルスタアンカ周りの立体感が強いですね。


ボディへ取り付けた状態を真下方向から写したもの。
現品実測の最大幅は17.7mm≒スケール換算2655mmです。
現車の台車全幅(図面指示値)が2708であることから、レリーフの奥行きとしてはかなりいい線いってると思われます。
なお現品台車枠の幅は15.0mm≒スケール換算2250mmで、現車推定は2100弱のため、流石にここはオンスケールとはいかないようですw



さてここで、従来のGM製京急車モデルで我々が散々お世話になった、THタイプ台車と比較してみましょう。

上が今回のTH-2100系、下が従来からのTHタイプです。
全体的な寸法は大きく変わっていないようですが、細かい形状の再現やディティールの追加によって、より実感的に進化を遂げました。


対称に置いてみたところ。
車体側のボルスタアンカ受けの柔らかな形状が印象捉えてて最高に好き。
寸法的にも良い線いってそうでよきよき。
アルミ構体車のココほんっっっとうにかっこいいですよね!


枕梁とボルスタアンカまわり。
奥行きがより大きくなってメリハリが好印象です。

軸箱まわり。
ヨーダンパ受け・軸箱支持装置(フック)・増粘着装置・ユニットブレーキ どこを見てもモールドが精密すぎます。
私の指紋くらいの細さ。
それから軸ばねの巻数や台車枠の太さがより正確さを増しててネ申

 
上から見下ろしてみます。
車端側のブレーキシリンダが無くなりスッキリしました。
空気ばね間隔はかなり狭いようですが、それ以外の気づきが見当たらないくらいにはよくできてます。



最後に、TH-2100系内での外観形態作り分けを試してみました。
拙い出来で恐縮ですが、参考としてご覧に入れます。


↑ TH-2100M形, TH-2100T形
※製品無加工


↑ TH-2100AM形, TH-2100AT形
※増粘着装置を切除加工


↑ TH-2100BM形, TH-2100BT形, TH-2100BTA形
※増粘着装置および軸ダンパ受けを切除加工

これら切除加工の労力の所感は、しょーじき結構しんどいです(
THタイプ時代は「ブレーキシリンダ・増粘着装置・ブレーキてこ切除」が基本メニューだったので、作業量的には減っているのですが。
でも新金型のTH-2100系はモールドが繊細すぎて、神経がゴリゴリ消耗するのです。
いやー参った。




兎にも角にも、今回の新金型TH-2100系は総評として大満足の出来でした。
GM製京急車には昨今の床下機器の金型流用で悲観的だったのですが、久々に前向きな製品がリリースされて嬉しい限りです。
この印象把握・精密感・立体感はやはり立体物が手元にあってこそ。
読者諸兄も是非手にされることをお薦めしますよ!
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