最近小山車両センター所属のE231系1000番台において、グリーン車のヨーダンパが取り外されています。

正確な理由は不明ですが、車体側と台車で把持するアームが残されているため、一時的な措置と考えられます。



普通列車グリーン車で豪遊することは滅多にない私ですが、宇都宮線は幾度か利用したことがあります。
今回はその記憶を元に、どの程度乗り心地が変わったのか試し乗りをしてみましたので感想をば。

乗車したのは宇都宮線下り宇都宮行の上野→宇都宮で、4号車平屋室です。
平日でしたのでグリーン料金は1050円也。
一般に鉄道車両の乗り心地が良いとされているのは車体中央です。
しかし今回は、台車の細かい動きが感じ取れるのではないかという推測と、普段使いの電車で乗っているのが台車直上なので、平屋席を選びました。

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早速上野発車から。
まずは分岐器を越えて場内を脱出しますが、ここでゴキッという音と共に急激な横への加速度がはたらきます。
その挙動から推測するに台車が急激に回転したんでしょうが、この時点で既に興ざめです。
普通車では当然のような揺れですが、グリーン車では過去にこのような激しい揺れを経験したことはありません。

鶯谷を抜けると速度が上がり、日暮里の7複線区間を軽快に駆け抜けます。
そして上野地下ホームと合流する分岐器を通過、制限は85km/hほどだったでしょうか。
ここで左右に2度ほどゆさゆさと車体が揺さぶられます。
進路が直進側か分岐側か記憶が定かではありませんが、明らかにそれとは関係なく、台車が暴れた揺れです。

尾久~赤羽~浦和は速度が110km/hまで上がる、宇都宮線全線でも速度が高い区間です。
そのうち東十条付近で、周波数1.5Hz程度の横方向の振動を感じました。
数回程度で収まったのですが、これがいわゆる蛇行動って奴でしょうか。


浦和発車後にラップトップを開いてみたのですが、断続的に文字を目で追うのが困難になる横揺れが続きます。
乱視になっちまうぜ・・・
それから宇都宮まで乗り通しましたが、傾向として100km/hを越えるような高速走行と、速度にかかわらず分岐器の通過で揺れが大きくなったように感じました。

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定量的なデータを全く示さずに申し上げるのははばかられますが、感想としてヨーダンパの無いグリーン車は以前よりくつろげる環境ではなくなったというのが正直なところです。

今までに私は普通車に対するグリーン車の走りに関して、「重厚な」という表現を使ったことがあります。
レールの小さなブレを車体の質量が持つ慣性でまっすぐ押し通す、そんな感想を持っていたのです。
それが言葉の通り普通車に対する10tもの自重の違いによるものかと思っていたのですが、今回の乗車で違うことがはっきり分かりました。
ヨーダンパの無いグリーン車の揺れは、あまりにもレールに対して素直すぎます。

分岐器通過時に感じた揺れは、今思い返せば普通車のそれとほとんど同じです。
むしろ特に大袈裟に感じてしまったのは、体全体をリクライニングシートに預けていたからかもしれません。
普通車のシートでは脚で踏ん張らないと正しい姿勢で座るのは困難ですから。
高速走行も、数日後に乗った120km/h超のE531系普通車の方が遥かに安定していました。
グリーン車で感じたフラフラとした横揺れはE531系で全く感じられず、まるで滑るように走ります。


勝手な結論として、ヨーダンパはボルスタレス台車の乗り心地改善に大きな効果が認められます。
特に有効な振動因子として、高速走行だけでなく分岐器通過も挙げられます。

ヨーダンパの撤去、いつまで続けられるのでしょうか。
正直なところ、グリーン料金を払ってまでまたアレに乗りたくはありません。
小山車両センターには早いところ撤去の目的を果たして頂き、重厚な走りを復活させてほしいものです。