京急の鉄道模型を作っているとき書くよ。
面白い床下機器を見つけたとき載せるよ。
東杏電機製造(トウキョウデンキセイゾウ)のお知らせをするよ。
新年度あけましておめでとうございます。
もう4月も終わりかけているのですが、ようやく今年度1本目の記事を書いてます。
今年度の床下ブログもよろしくおねがいしますです。
2019年に入ってから主回路装置更新に関する動きが活発化している京急の新1000形ですが、4月に入って4連(4V)の3次車が新たな施工の対象となって出てきました。
1417編成は3次車4Vの1本目として落成した編成で、2次車以前の主回路システムが2M2T編成であったのに対し、3M1T編成へとパワーアップしておりました。
今回の主回路装置の更新は、かなりチャレンジングな内容で実施されておりましたよ・・・
もう4月も終わりかけているのですが、ようやく今年度1本目の記事を書いてます。
今年度の床下ブログもよろしくおねがいしますです。
2019年に入ってから主回路装置更新に関する動きが活発化している京急の新1000形ですが、4月に入って4連(4V)の3次車が新たな施工の対象となって出てきました。
1417編成は3次車4Vの1本目として落成した編成で、2次車以前の主回路システムが2M2T編成であったのに対し、3M1T編成へとパワーアップしておりました。
今回の主回路装置の更新は、かなりチャレンジングな内容で実施されておりましたよ・・・
まず両先頭車であるMuc1形とMsc1形について。
こちらが海側。
そして山側。
VVVFインバータ装置(VVVF)は東洋電機製造製のRG6008-C-M形を搭載しています。
2100形が搭載する-A-M形と1009編成が搭載する-B-M形に続く、サフィックス違いの系列品です。
外観上細かいところを見ていくと、海側の主回路ケーブルの取り回しが-B-M形と異なるようです。
また1009編成では、VVVFと構体との間にアダプタ(スペーサ?)を噛ませて更新後のVVVFを吊っていましたが、今回の1417編成では直接構体のブラケットで吊っています。
恐らく換装前のVVVFの筐体形状が両者で異なっていた為、構体のブラケットにも相違があり、直接吊れる/吊れないの違いとなったのでしょう。
高速度遮断器(HB)はSA401-R1-M形。
フィルタリアクトル(FL)はL3039-C形。
いずれも1009編成の更新後と同一品を搭載しています。
主電動機(MM)はTDK6163A形で、これも1009編成から変更する理由は無いですねw
・・・ここまで、両先頭車の更新メニューは割と平和だったんですよ。
続いて中間電動車M2形の床下のご紹介なんですけど、
海側。
山側。
やけに広々としてますね。
ええ、主回路装置が撤去されました。
趣味界隈で言うところの所謂「電装解除」です。
車号も「デハ1418号車」から「サハ1418号車」に変わっています。
いやーびっくらこいた。
電装解除に関してはこの1両だけで見るところが沢山ありましたので、別記事を立てて分割のうえ詳細をまとめました。
⇒ 京急新1000形電装解除車サハ1418号車の床下を観察する(190512うp)
編成全体の車両システムとして見たハナシをします。
電装解除により、編成のMT比は3M1Tから2M2Tへ下がります。
もうちょっと細かく説明しましょう。
更新前の組成は M1M2-T-M の組み合わせでユニットを組んでいました。
図で表すとこう↓なります。
シーメンスIGBTのVVVF(G1450 D1130/480 M5-1形)にはBox-AとBox-Bの2種類がいて、Box-AとBox-BとでMuc1形とM2形とのM1M2ユニットを組み、かつBox-A単体でMsc1形が動いてました。
このうちM1M2ユニットの方の組成が特殊で、Box-Aがユニット2両分の制御アンプ=頭脳を持ち、Box-Aと-Bの両者がインバータ=パワー半導体を持つ、言わばセパレート方式のユニットだったんですね。
主回路を更新していくにあたり、いま製作可能なVVVFをどのように使っていくかについて事業者やメーカで議論が当然あったものと思われます。
課題として想定されるのが、
・既存の特殊なM1M2ユニットを代替するVVVFが製作可能か
・機能上M1M2ユニットを置き換えるVVVFが有るか
・そもそも編成として3M1Tを維持する必要があるか
あたりでしょうか。
これら検討の結果として、「特殊なユニット構成を避け、」「機能自体を置き換えることを止め、」「実績ある2M2T編成へ変更する」決定がされたのでは、と私は想像します。
その結果である主回路更新後がこちら↓であると推測されます。
ん~シンプル。
※ M2形の電装解除車、この記事では便宜上T形と呼称します
MT比が下がることで、当然ながら力行及び回生の粘着力が編成全体として下がり、走りとして空転/滑走しやすくなります。
運転サイドとしては、降雨時に時間に入りにくくなるクルマが増える懸念があると想像するのですが、車両サイドとどう折り合いをつけているのか部外者である私は知る由もないです・・・
あとブレーキシステムも電空ブレンディング制御の都合で変更を受けています。
従来のブレーキ受信装置(BCB)と、Box-A及び-Bの各VVVFとの関係は、ざっくり下図のような繋がりでした。
ブレーキシステムのユニットは、浦賀方2両と品川方2両で分かれています。
浦賀方デハ2両分(Muc1+M2)の制御アンプは共にBox-A側に内蔵されていたので、浦賀方(Muc1形持ち)BCBとの指令(及びフィードバック)のやりとりもBox-Aのみが受け持っていたんですね。
品川方デハ+サハ(Msc1+Tp)はBCBと制御アンプとが1対1の関係性なのでシンプルです。
あと遅れ込め制御もデハ+サハのブレーキユニットの中でやってました。
んで、主回路更新後はブレーキも極めて単純なカタチと推測されまして。
浦賀方と品川方のブレーキユニットのいずれも、デハ+サハのペアで電空ブレンディングや遅れ込めなんかを制御するようになっていると思われます。
Muc1形側のBCBは制御対象の制御アンプが2台から1台へ減っていますが、外見上更新前と同一品(メーカ整備のみ実施)を使用していると推測されます。
あと、妻面の銘板を見たところ編成各車の自重も変更されていまして、記載値を下表にまとめておきます。
形式 | 更新前 | Muc1 | M2 | Tp | Msc1 |
更新後 | T | ||||
車号 | 更新前 | デハ1417 | デハ1418 | サハ1419 | デハ1420 |
更新後 | サハ1418 | ||||
自重 [㌧] |
更新前 | 32.0 | 31.0 | 27.0 | 32.0 |
更新後 | 32.5 | 24.5 | 27.5 | 32.5 |
Muc1形とMsc1形は主回路装置の変更で、M2→T形は主回路装置を降ろした分で、それぞれ差分により自重が変化したと考えられます。
ところでTp形が0.5tほど増えてますけど、何か重くなるような変更しましたっけ・・・?
電装解除と併せて実施された1417編成の主回路更新。
「粘着力を確保してこそ鉄道車両の走りは安定する」と信じてやまない私個人としては複雑な思いです。
とはいえ、新1000形の1・2次車は今までずっと2M2T編成で走ってきたわけですから、きっとこの構成でも上手く走らせてくれるのだろうと期待しています。
ひとまずこの大型連休は新しいこの主回路システムを堪能しつつ過ごしたいと思います。
明日は走るといいなー!
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