京急の鉄道模型を作っているとき書くよ。
面白い床下機器を見つけたとき載せるよ。
東杏電機製造(トウキョウデンキセイゾウ)のお知らせをするよ。
2015年11月13日深夜、京急新1000形15次車のうち1本である1367編成が京急線内へ自走で入線しました。
1367編成はこれまでの京急車の伝統を塗り替える、東芝製の主回路装置を艤装して出場しています。
京急車の歴史を塗り替えるかも知れない1本、私は風のつてが耳に届いてからずっと心待ちにしていました。
そして誰よりも早くこの手に、という思いを込めてNゲージでカタチにします。
1367編成はこれまでの京急車の伝統を塗り替える、東芝製の主回路装置を艤装して出場しています。
京急車の歴史を塗り替えるかも知れない1本、私は風のつてが耳に届いてからずっと心待ちにしていました。
そして誰よりも早くこの手に、という思いを込めてNゲージでカタチにします。
東芝製の主回路装置が如何に先進的な技術かは先日書いた記事に殴り書きしています。
東芝SVF102系VVVFインバータ装置のはなし
実車の1367編成が京急線に足を踏み入れる瞬間はコチラから動画で見ることができます。
いやはや、かっこいいですね、シビれますね!
さてさて、模型の話に移ります。
主回路装置が一新されるに当たってとりあえず必要になるので、3Dプリンタで新しくなる装置類をモリモリッとモデリングしておきます。
ソリッドモデルかーらーのー
SVF102-G0形! できあがりー!
美味しそうですねw
参考としたのは阪急1000系電車のSVF102-B0形です。
M1M2ユニットを組む1C1M8群制御なので、銀千に採用されるとしたらコレしかないっしょ!と直感で取材に行ってきました。
ビンゴだよっ、まどか!
さて、補助電源, ブレーキ, モニタ, その他もろもろの機器はどうでしょか。
基本的にそこら辺は従来の銀千と同じ機器で出てくるだろうと思ったのでこれまで作ってきた6Vと同じように準備をしました。
続いて艤装位置ですが、これも従来車と大部分を揃えてくるだろうなと思いまして。
理由はいくつか。
まず車輌の取り扱い方を極力共通化しないと検修や異常時に混乱を招く恐れがあるから。
そして艤装設計をなるべく簡潔とするため。
特にステンレス構体の艤装設計において機器の配置を変更しようとすると、機器の取合位置まで個別のアダプタを設計し直して合わせてあげないといけないので手間が増えます。
なので変更のない機器は変わらず同じ位置にいるだろうな、と予想していました。
結果的にこれもビンゴだったようで、現時点でネット上の資料を見る限りそうできています。
(ちな: アルミ構体は床裏に懸垂式モノレールのような溝を付けてるのでレール方向位置が自在なのです)
私の妄想や蘊蓄はこれくらいにして、サイドビューを貼っていきましょうか!
ヒラリホー!
M1系 M1u形 (2両目)
デハ1368号車
M1系 M1s形 (5両目)
デハ1371号車
主スイッチ(MS),高速度遮断器(HB),断流器(LB),フィルタリアクトル(FL),VVVFインバータ装置 等を艤装する中間電動車です。
山側(下写真)の中央付近に吊られた大きな箱がVVVF、その浦賀方がFLで、HBとLBは海側(上写真)品川方にあります。
今作で新規にモデル化したのはLB, FL, VVVF の3点です。
変更前と比べVVVFが大きくなったため、山側に窮屈さが感じられます。
それでもFLをなんとかやり繰りして機器変更前と同じ順序にすることができています。
変更のない各機器については移動すらしていません。
いやはや東芝と川重の設計陣には脱帽です。
M2c系 M2uc形 (1両目)
デハ1367号車
M2c系 M2sc形 (6両目)
デハ1372号車
静止型インバータ(SIV)と静止型インバータ変圧器(IVT), 蓄電池(SB), 電動空気圧縮機(CP), 元1・2空気タンク 等を艤装する制御電動車です。
主電動機(MM)がM1系共々永久磁石同期電動機(PMSM)に変更されていますが、裏返さないと見えないのでモデルではスルーしています。
またPMSMは1C1M制御じゃないと駆動できないので、M1M2ユニット間のMM渡り線が数千アンペア級*4本だったところ数百アンペア級*16本に変わってるハズなのですが、これもスルーさせてもらってます。
床板裏面トラフをじっくり観察できたらいいのですが。観察シタイナー。。。
T系 Tu形 (3両目)
サハ1369号車
T系 Ts形 (4両目)
サハ1370号車
中間付随車です。
この2両については本当に何も変わってないと思います。
変える理由が思い浮かばねぇ!!
注目のM1系デハ車をじーっくり紹介していきましゅ!
まずはVVVF装置のある山側を。
これまでの銀千6Vが艤装していた東洋電機製造製RG694-B-M形VVVF装置と比較し、東芝製SVF102-G0形は約0.7mほど長い3.7mのレール方向寸法です。
その結果、左隣の整流器(REC)との間がかなりキワドくなってます。
SVF102-G0形VVVF装置はヒートシンク体積がかなり小さくなり、奥行きがかなり圧縮されたカタチをしてます。
かがくのちからってすげー!
VVVF装置の右隣はFLです。
このFLも地味にスゴいヤツで、めちゃくちゃ小さくなってるんです。
左は阪急1000系用のFL、右が京急新1000形用のFL。
新1000形のを初めて見たときは自分の目を疑ったのですが、何度計算してもこの寸法になってます。
レール方向寸法は0.7m以下のようでして、わけがわからないよ。
恐らく中身の空芯ソレノイドコイルの外径を小さく巻くようにしたんでしょう。
私は交流回路がからっきしダメなのですが、そういうのって所要のインダクタンス値を得るの大変じゃないかなーって想像するんですけど実際実現し得るもんなんですかね?
RG694-B-M形搭載の1359号車(写真上)とSVF102-G0形搭載の1371号車(写真下)を並べてみました。
VVVF装置の巨大化がより明らかに分かりますね。
そして不足分したスペースをFLの小型化で補い、なんとか元の位置に収めたというワケです。
執念すら感じさせます・・・
海側のHBとLBも見てみましょうか。
HBは東洋電機製造製のSA401-L1-M形と同等品を同一の位置に付けています。
OEMとして東芝が供給を受けているわけですね。
LB箱は見た目違いますが、寸法が変更前後でほとんど変わらないため同一位置の艤装です。
SVF102-G0形の主回路ではFLが2個に分かれており、山側と同じものが海側にも付いています。
ここら辺の考え方は三菱電機製15V174形VVVF装置を付けている銀千8Vの艤装と同じ考え方ですネ。
まとめ:裏側ひっくり返してみるとこうなってるハズですよ、と。
手前のSVF102-G0形を奥のRG694-B-M形と見比べてみると、案外うまく重心を捉えたまま艤装したなーと感心します。
そして小型化したフィルタリアクトルも本当にピッタリ出来てます。
本当に、ほんとうに良く出来た電車です、1367編成。
顔はツヤテカにバッチリ仕上げまして、ナンバーも誇らしげです。
行先表示器には[試運転]を入れたかったのですが、グリーンマックスで付属してるステッカに収録されてないためとりあえず放置の図。。。
新1000形として1001編成がデビューしたのが2002年の春。
そして2015年の今冬、335~340両目となる1367編成が竣工しようとしています。
構体の一新もさることながら、主回路装置も様々な変遷を辿ってきました。
えーっと。 えーっと・・・
思い出すのが面倒になったので本日2015年11月時点を表にまとめますね。
うっひゃー!凄いバリエーションですな!
押しも押されぬ京急線の主役となった新1000形。
これまでも時代の流れに応じて変更を繰り返し、今また最新のテクノロジーを身に纏った姿へと変身を遂げようとしています。
東芝PMSMが今後のスタンダードになる可能性はまだ未知数ですが、新1000形そして京急車が新たな一歩を踏み出したことは間違いありません。
SVF102-G0形VVVFインバータ装置がどんな活躍を見せてくれるのか、そして聴かせてくれるのか。
営業運転の開始が楽しみでなりません。
東芝SVF102系VVVFインバータ装置のはなし
実車の1367編成が京急線に足を踏み入れる瞬間はコチラから動画で見ることができます。
いやはや、かっこいいですね、シビれますね!
さてさて、模型の話に移ります。
主回路装置が一新されるに当たってとりあえず必要になるので、3Dプリンタで新しくなる装置類をモリモリッとモデリングしておきます。
ソリッドモデルかーらーのー
SVF102-G0形! できあがりー!
美味しそうですねw
参考としたのは阪急1000系電車のSVF102-B0形です。
M1M2ユニットを組む1C1M8群制御なので、銀千に採用されるとしたらコレしかないっしょ!と直感で取材に行ってきました。
ビンゴだよっ、まどか!
さて、補助電源, ブレーキ, モニタ, その他もろもろの機器はどうでしょか。
基本的にそこら辺は従来の銀千と同じ機器で出てくるだろうと思ったのでこれまで作ってきた6Vと同じように準備をしました。
続いて艤装位置ですが、これも従来車と大部分を揃えてくるだろうなと思いまして。
理由はいくつか。
まず車輌の取り扱い方を極力共通化しないと検修や異常時に混乱を招く恐れがあるから。
そして艤装設計をなるべく簡潔とするため。
特にステンレス構体の艤装設計において機器の配置を変更しようとすると、機器の取合位置まで個別のアダプタを設計し直して合わせてあげないといけないので手間が増えます。
なので変更のない機器は変わらず同じ位置にいるだろうな、と予想していました。
結果的にこれもビンゴだったようで、現時点でネット上の資料を見る限りそうできています。
(ちな: アルミ構体は床裏に懸垂式モノレールのような溝を付けてるのでレール方向位置が自在なのです)
私の妄想や蘊蓄はこれくらいにして、サイドビューを貼っていきましょうか!
ヒラリホー!
M1系 M1u形 (2両目)
デハ1368号車
M1系 M1s形 (5両目)
デハ1371号車
主スイッチ(MS),高速度遮断器(HB),断流器(LB),フィルタリアクトル(FL),VVVFインバータ装置 等を艤装する中間電動車です。
山側(下写真)の中央付近に吊られた大きな箱がVVVF、その浦賀方がFLで、HBとLBは海側(上写真)品川方にあります。
今作で新規にモデル化したのはLB, FL, VVVF の3点です。
変更前と比べVVVFが大きくなったため、山側に窮屈さが感じられます。
それでもFLをなんとかやり繰りして機器変更前と同じ順序にすることができています。
変更のない各機器については移動すらしていません。
いやはや東芝と川重の設計陣には脱帽です。
M2c系 M2uc形 (1両目)
デハ1367号車
M2c系 M2sc形 (6両目)
デハ1372号車
静止型インバータ(SIV)と静止型インバータ変圧器(IVT), 蓄電池(SB), 電動空気圧縮機(CP), 元1・2空気タンク 等を艤装する制御電動車です。
主電動機(MM)がM1系共々永久磁石同期電動機(PMSM)に変更されていますが、裏返さないと見えないのでモデルではスルーしています。
またPMSMは1C1M制御じゃないと駆動できないので、M1M2ユニット間のMM渡り線が数千アンペア級*4本だったところ数百アンペア級*16本に変わってるハズなのですが、これもスルーさせてもらってます。
床板裏面トラフをじっくり観察できたらいいのですが。観察シタイナー。。。
T系 Tu形 (3両目)
サハ1369号車
T系 Ts形 (4両目)
サハ1370号車
中間付随車です。
この2両については本当に何も変わってないと思います。
変える理由が思い浮かばねぇ!!
注目のM1系デハ車をじーっくり紹介していきましゅ!
まずはVVVF装置のある山側を。
これまでの銀千6Vが艤装していた東洋電機製造製RG694-B-M形VVVF装置と比較し、東芝製SVF102-G0形は約0.7mほど長い3.7mのレール方向寸法です。
その結果、左隣の整流器(REC)との間がかなりキワドくなってます。
SVF102-G0形VVVF装置はヒートシンク体積がかなり小さくなり、奥行きがかなり圧縮されたカタチをしてます。
かがくのちからってすげー!
VVVF装置の右隣はFLです。
このFLも地味にスゴいヤツで、めちゃくちゃ小さくなってるんです。
左は阪急1000系用のFL、右が京急新1000形用のFL。
新1000形のを初めて見たときは自分の目を疑ったのですが、何度計算してもこの寸法になってます。
レール方向寸法は0.7m以下のようでして、わけがわからないよ。
恐らく中身の空芯ソレノイドコイルの外径を小さく巻くようにしたんでしょう。
私は交流回路がからっきしダメなのですが、そういうのって所要のインダクタンス値を得るの大変じゃないかなーって想像するんですけど実際実現し得るもんなんですかね?
RG694-B-M形搭載の1359号車(写真上)とSVF102-G0形搭載の1371号車(写真下)を並べてみました。
VVVF装置の巨大化がより明らかに分かりますね。
そして不足分したスペースをFLの小型化で補い、なんとか元の位置に収めたというワケです。
執念すら感じさせます・・・
海側のHBとLBも見てみましょうか。
HBは東洋電機製造製のSA401-L1-M形と同等品を同一の位置に付けています。
OEMとして東芝が供給を受けているわけですね。
LB箱は見た目違いますが、寸法が変更前後でほとんど変わらないため同一位置の艤装です。
SVF102-G0形の主回路ではFLが2個に分かれており、山側と同じものが海側にも付いています。
ここら辺の考え方は三菱電機製15V174形VVVF装置を付けている銀千8Vの艤装と同じ考え方ですネ。
まとめ:裏側ひっくり返してみるとこうなってるハズですよ、と。
手前のSVF102-G0形を奥のRG694-B-M形と見比べてみると、案外うまく重心を捉えたまま艤装したなーと感心します。
そして小型化したフィルタリアクトルも本当にピッタリ出来てます。
本当に、ほんとうに良く出来た電車です、1367編成。
顔はツヤテカにバッチリ仕上げまして、ナンバーも誇らしげです。
行先表示器には[試運転]を入れたかったのですが、グリーンマックスで付属してるステッカに収録されてないためとりあえず放置の図。。。
新1000形として1001編成がデビューしたのが2002年の春。
そして2015年の今冬、335~340両目となる1367編成が竣工しようとしています。
構体の一新もさることながら、主回路装置も様々な変遷を辿ってきました。
えーっと。 えーっと・・・
思い出すのが面倒になったので本日2015年11月時点を表にまとめますね。
VVVF装置形式 | メーカー | 編成 | 備考 |
G1450 D1130/560A M5-1 | SIEMENS | 1001~1033 1401~1413 |
|
G1450 D1130/480 M5-1 | SIEMENS | 1041~1065 1417~1445 |
|
SVF093-A0 | 東芝 | 1405 | 試験換装(2010年~) |
MAP-138-15V194 | 三菱電機 | 1073~1169 | |
RG694-B-M | 東洋電機製造 | 1449~1489 1301~1361 |
|
SVF102-G0 | 東芝 | 1367 |
うっひゃー!凄いバリエーションですな!
押しも押されぬ京急線の主役となった新1000形。
これまでも時代の流れに応じて変更を繰り返し、今また最新のテクノロジーを身に纏った姿へと変身を遂げようとしています。
東芝PMSMが今後のスタンダードになる可能性はまだ未知数ですが、新1000形そして京急車が新たな一歩を踏み出したことは間違いありません。
SVF102-G0形VVVFインバータ装置がどんな活躍を見せてくれるのか、そして聴かせてくれるのか。
営業運転の開始が楽しみでなりません。
この記事にコメントする
はじめまして
1367_8010と申します。
ツイッター経由で前回の1367編成の観察記事を発見し、思わずコメントしてしまいました。
某関係者です(笑)
すごい観察力ですね!恐れ入ります。
おっしゃる通り、FLを細長くすることで、既存銀1000の床下ぎ装を変えずに実現した次第です。
LB箱は阪急とあまり変わらないように見えるかもしれませんが、気抜きフィルタが無かったり、PLB表示灯がついていたりと、実は京急用は少し仕様変更してますので、よかったらその辺も再現してみてくださいね(笑)
ひとつ訂正しておきますと、SVF102はSiCは使っていません。悪しからず。
それでは、今後とも楽しく読ませていただきますので、よろしくお願いします!
ツイッター経由で前回の1367編成の観察記事を発見し、思わずコメントしてしまいました。
某関係者です(笑)
すごい観察力ですね!恐れ入ります。
おっしゃる通り、FLを細長くすることで、既存銀1000の床下ぎ装を変えずに実現した次第です。
LB箱は阪急とあまり変わらないように見えるかもしれませんが、気抜きフィルタが無かったり、PLB表示灯がついていたりと、実は京急用は少し仕様変更してますので、よかったらその辺も再現してみてくださいね(笑)
ひとつ訂正しておきますと、SVF102はSiCは使っていません。悪しからず。
それでは、今後とも楽しく読ませていただきますので、よろしくお願いします!
Re:はじめまして
こんばんわ、Kojicです。
こんな素人のブログをわざわざご覧頂いて恐縮です・・・
SVF102-G0形は詳細がネットで流れてくるたびに感心の連続で、技術陣の努力の賜物なのだなぁと想像してます。
まずは引き渡し、そして営業投入、無事に進むことを願っております。
還流ダイオードの件承知しました、誤解されぬよう直しておきます。
LBも次期Rev.で修正しないとですね。
これからもかっこいい床下機器をたくさん作っていきますんでよろしくお願いします!
こんな素人のブログをわざわざご覧頂いて恐縮です・・・
SVF102-G0形は詳細がネットで流れてくるたびに感心の連続で、技術陣の努力の賜物なのだなぁと想像してます。
まずは引き渡し、そして営業投入、無事に進むことを願っております。
還流ダイオードの件承知しました、誤解されぬよう直しておきます。
LBも次期Rev.で修正しないとですね。
これからもかっこいい床下機器をたくさん作っていきますんでよろしくお願いします!
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