ことしもますます京急が飛躍する年でありますよう心からお祈り申し上げます。
・・・遅くなりましたが。
さて、時は遡って昨年12月の今頃。
京急床下ハンドブックを脱稿して模型床下作りたい!と秋葉に飛び出し、グリーンマックスの京急新1000形1次車を買って参りました。
8両セットで、床下機器のプロトタイプとしてはそのものズバリ(8連2次車は1次車のシステムを踏襲)なのですが、今回はちょっとコンセプトを変えて「丁寧に」作ってみようかな・・・と。
この箱、いくつか並ぶなかで若干横長で特徴的なのですが、GM床下機器の新1000形Muc用では右のMBSA作用装置や補助継電器箱(ARB/LA)とほぼ同じ寸法となっていました。
これを再現すべく、こちらのパーツを使用します。
新1000形ステンレス車8連M2uc用です。
GMのこの床下機器パーツは、モールドのシャープさと良い印象把握と良い、京急車製品の中で最高の出来であると私の中で大絶賛しております。
今回こちらをメインに新1000形1次車Muc/Msc形の床下を作り、BCB/BA箱の改善を含め印象の改善を行っていきたいと思います。
またもうふたつ、別のアプローチから改善すべき機器が。
同じく先頭車で、山側の空気圧縮機接触器(CMC)と電動空気圧縮機(CP)です。
どちらもパーツが妙にノッペリした印象なのをどうにかしたいところ。
CMCは天地寸法が長すぎる問題もあるため、一旦切り落としてから上部を切り詰めることに。
CPは下端の出っ張りを再現してみようかな、ということで
t0.5のプラ板を台形に整形し、ぺたっと貼り付けてみました。
高速度遮断器(HB)との高さ関係も良さそうな感じで期待です。
というわけで完成した模型がこちらになります。
M車系 Muc (1両目)
デハ1017号車
浦賀方の制御電動車で、品川方Msc形は車体の向き以外はほぼMuc形と共通の設計です。
先に述べたとおり、ステンレス車用のパーツをふんだんに使用した床下機器となりました。
また機器の間隔についても見直し、コックユニット箱(CUB)や接地スイッチ(GS)、CMCは床板の床下機器取付スペース外に接着しています。
この工作の結果、これまでより車両全体の印象が長く感じられるようになったかな、と。
M車系 Mu (4両目)
デハ1020号車
浦賀方ユニットに属する中間電動車で、Muc形からCPとそれに関連する機器を省略した形態になります。
こちらの製作ではBCB/BA箱が無いから別にいいやとの考えの下、オリジナルのMuc形用パーツを使用しました。
ちなみに代わりに取り付けられているブレーキ受信装置(BCB)は、600形M2c形用のCMCを使っています。
その他不要な機器の撤去と山側の戸閉空気タンク(戸)・保安空気タンク(保)の適当な調達を行い、機器間隔を調整して接着し完成です。
M車系 Ms (5両目)
デハ1021号車
品川方ユニットの中間電動車で、受給電接触器箱(SDC)を持たないところがMu形との差異です。
模型では本形式を動力車とし、Mu形と同じパーツを薄くカットし動力ユニットのダイカストに貼り付けました。
なのでMu形より後に作った方が似せやすくて楽ですよw
保安空気タンクは奥まっているため、筆で描いたフリーハンドクオリティで再現。
Tp系 Tpu (2両目)
サハ1018号車
補助電源装置(SIV)を搭載する中間付随車です。
機器間隔の調整が本形式製作のメインとなりましたが、そのほか蓄電池箱(SB)をステンレス車用のものに交換しています。
またGSもやたら太くて気に入らなかったため、Muc形発生のものに交換し、山側のプロポーションが改善されたかなと思います。
7両目Tps形は同一形態ですので省略しますね。
T系 Tu (3両目)
サハ1019号車
中間付随車で、床下スカスカがキュートです。
こちらは特に部品の調達などはせず、素直にそのまま機器間隔だけなおしました。
6両目Ts形はだいたい同じですが弱冷房車じゃありません。
というわけで以上、側面だけブワァーっと並べてみました。
今回のメインなMuc/Msc形を細かく見ていきましょうか。
海側品川寄り。
空調制御器(AUC)、BCB/BA、MBSA、ARB/LCの並びは当記事冒頭の写真と同じですね。
この機器箱形状の違いが、これまで再現できませんでした。
BCB/BA箱の交換で、遠目でも分かるほど一気に印象が良くなります。
浦賀寄りではCUB、架線電圧検出器/架線電圧計ヒューズ(DCVD/VMF)、元空気気圧スイッチ(MRPS/MRPSC)を交換。
これまでDCVD/VMFがイマイチで、やっと「らしい」機器箱になったかなという感じです。
小さな正方形のMRPS/MRPSCも、小さなモールドが散りばめられ可愛らしいですね。
形を整えた山側のCMCとCP。
これらは小加工のみのため、こうして拡大したときの目新しさはないものの、CMC高さの改善やCP箱の尖りが違和感を消しており地味ーに効いてます。
たいして難しい工作でもないのでオススメしますよ。
HBは車体タッチアップのついでで、小田急アイボリーに塗り潰してます。
丁寧に、といった割に記事は駆け足で申し訳ありませんでした。
工作中にあまり写真を撮っていなかったのですが、今回は機器の搭載位置に特に力を入れてまして、あまり画にならなかったという。
ここは丁寧さのためということでひとつお許し下さいませ。
GMの完成品もそこそこの歴史を刻んできており、初代製品の甘さを現代レベルに修正する工作は手軽で楽しいなと思いました。
とくに今作は目立つ先頭車への加工ということで、↓こんな風に走ってもついついニヤけてしまう出来上がりです。
時には大変な実車取材をせず、こんなパズル的な模型弄りも良いものですな。。。