京急の鉄道模型を作っているとき書くよ。 面白い床下機器を見つけたとき載せるよ。 東杏電機製造(トウキョウデンキセイゾウ)のお知らせをするよ。
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2025年9月中旬頃に、京急新1000形3次車の1421編成が車体更新を受けて出場し、既に運用に就いています。

今回の施工メニューは従来の4Vとは異なり、なんと座席がロングシートからL/Cシートへ交換する改造も含まれています。
従来の4Vとの車内外全体的な形態差や、類似のL/Cシートを持つ1890番台との関連性を、外観から見れる範囲で確認してきたのでまとめます。



まず床下機器艤装について。
海側からお見せしましょう。

Muc1形 デハ1421号車


T形 サハ1422号車


Tp形 サハ1423号車


Msc1形 デハ1424号車


白くて如何にも変化点っぽい機器が各車とも2個ずつありますね。

1つ目が「モニタ装置」箱。
従来の新1000形3次車は、車体更新の該非に関わらず付けていなかった機器です。
一方で1890番台を含む20次車以降の新1000は、同一名称の機器を付けています。

型番的に1421編成と1890番台とは完全に同一のモノでした。
これら状況より、このモニタ装置箱はL/Cシートに必要な機能を内蔵するため、今回1421編成に追加で艤装されたと推察されます。


またもう一つ白くなっていた箱が向かって右側「ARB/LC箱」です。
銘板によると「25年製」とのことで、従来のものから新しく交換されていました。

ARBとは“補助継電器箱”の略号、すなわち車上で使用される低圧電源の分配やON/OFF切換を担う箱です。
今回の変化点から推察するに、L/Cシート関連機器への回路を追加で設ける目的で、所要の機能を持つ新品を手配したのでしょう。

以上が海側の変化点。


続いて山側も確認します。
が、結論から申し上げると、ロングシートな3次車車体更新との変化点は認められませんでした。

Muc1形 デハ1421号車


T形 サハ1422号車


Tp形 サハ1423号車


Msc1形 デハ1424号車


その他、車体外観で特に目立った変化点は特段認められませんでした。
(細かいところはいくつか見つけてますがキリがないので)



つぎ。
ARB/LC箱の交換で連想されたので、車上のTBS盤がどうなっているか確認しておきましょうか。

デハ1424号車でAC100Vの盤が見れまして、「座席回転制御」と「客室コンセント」のTBS設置を確認しました。
この名称と配置は1890番台と同一ですので、やはり今回の1421編成改造は1890番台のシステムをかなり流用設計しているのでしょう。



最後に客室。
すでにツイッターで話題になっていました通り、ロングシートモードでの通路幅が広めに改善されたそう。
近い画角の写真にて比較してみますと、

↑ 1421編成 / ↓ 1890番台

雰囲気だけでもだいぶ違いを感じます。

現車で空いているタイミングを見計らって簡単に実測してみたところ、座面先端間で 1360 mm の結果を得ました。
これを通路幅として、1890番台の公表されてる図寸と比較しましょう。
・1890番台(従来L/Cシート): 1134 [mm] ※図面寸法
・1421編成(今回L/Cシート): 1360 [mm] ※簡易実測
なんと200mm超も広くなってました、すごい改善です。
ちなみに新1000形アルミ車でロングシート(オリジナル)の通路幅は 1470 [mm]、流石に敵いませんw



あと気になっていた点は、L/Cシート有無による自重や定員の差でしょうか。


今回1421編成の4両とも妻銘板を記録してきたので、手持ちの4Vロングシート3~5次車や1890番台のスペックと比較してみました。

自重 [㌧] 1号車 2号車 3号車 4号車
1421編成 車体更新 L/Cシート 33.5 26.0 28.5 34.0
4V 3~5次車 車体更新(ロング) 32.5 25.0 27.5 32.5
1890番台 (L/Cシート&トイレ) 34.5 30.5 33.0 34.5

定員 [人] 1号車 2号車 3号車 4号車
1421編成 車体更新 L/Cシート 110 120 120 110
4V 3~5次車 車体更新(ロング) 117 126 126 117
1890番台 (L/Cシート&トイレ) 101 107 111 101

どちらのスペックにおいてもロングシート車と1890番台との中間に収まっていますね。
1890番台よりは使いやすくて旅客に受け入れられるクルマであってほしいものです・・・



全体的な所感。
種車の良さを活かしつつ新しい機構も取り入れて、バランス良く仕上げたなぁと感心しました。
またL/Cシートを設置するために必要な改造箇所も明確になり、システム面の理解が深まった点もホクホクです。

ちなみにごく個人的に印象的だった艤装を2点。
まず面白ポイント第1位がこちら↓

Mc系のVVVFインバータ装置筐体と新設のモニタ装置箱との隙間せっっっっま!
10~20mmくらいしかないのでわ(

そして心配ポイントの堂々第1位はこちら↓

同じくMc系VVVFインバータ装置周りで、ヒートシンクのすぐ後ろに接近してモニタ装置箱が吊ってるんです。
走行風を利用して素子冷却するタイプのVVVFって確か周辺機器の艤装配置に制約なかったかしら?(うろ覚え)
冷え込んできた今の時期は全然大丈夫でしょうけど、来夏になってからの普通車運用などでオーバーヒートしないとよいですね・・・
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